「遺言書を作っておきたいけれど、手書きの遺言と公正証書遺言のどちらがいいの?」
「公正証書遺言を作るにはどれくらいの費用や時間がかかるのだろう…」
ご自身の意思を確実に残し、亡き後の家族のトラブルを防ぐための手段として「遺言書」は非常に有効です。
遺言書にはいくつか種類がありますが、実務で広く利用されているのが「自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん)」と「公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)」です。
今回は、行政書士の視点から、公正証書遺言と自筆証書遺言の違い、公正証書で作成するメリット、必要な費用の相場、作成までのステップを分かりやすく解説します。
自筆証書遺言と公正証書遺言の違い(比較一覧)
まずは、2つの遺言書の違いを分かりやすく表で確認してみましょう。
| 比較項目 | 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 |
| 作成方法 | 全文を自分で手書き(財産目録は代筆・パソコン可) | 公証人が作成(本人は口頭で意思を伝える) |
| 形式不不備による無効リスク | 高(日付欠落や捺印ミス等で無効になる例が多い) | ほぼゼロ(法律のプロである公証人が作成) |
| 証人の立ち会い | 不要 | 2名以上が必要 |
| 家庭裁判所の「検認」手続き | 必要(※法務局保管制度の利用時は不要) | 不要(亡くなった後すぐに手続き可能) |
| 紛失・改ざんのリスク | 保管場所によっては紛失・隠蔽のリスクあり | なし(公証役場に原本が半永久保管) |
| 費用 | 無料〜低額(紙と印鑑のみ) | 公証人手数料等の費用がかかる |
公正証書遺言を選ぶ4つのメリット
費用がかかるにもかかわらず、多くの専門家が「公正証書遺言」を推奨するのには明確な理由があります。
1. 形式不備で無効になるリスクが極めて低い
手書きの自筆証書遺言は、日付の記載漏れ、印影の不備、曖昧な表現などが原因で、後から法律上の効力を失ってしまう事例が少なくありません。公正証書遺言は法律の専門家である公証人が作成するため、形式不備で無効になるリスクがありません。
2. 残された家族が「検認手続き」不要でスムーズに手続きできる
自筆証書遺言の場合、亡くなった後に家庭裁判所で「検認(けんにん)」という検分手続きを行う必要があり、これに1〜2か月ほどの時間がかかります。公正証書遺言であれば検認が不要なため、亡くなった直後から即座に銀行口座の解約や不動産の名義変更(相続登記)を進めることができます。
3. 紛失・破棄・改ざんの心配がない
作成された遺言書の原本は、公証役場にて厳重に保管されます(一般的に140歳相当まで保管)。そのため、手元の控えを紛失したり、一部の相続人に破棄・改ざんされたりする心配が一切ありません。
4. 遺言作成時の「判断能力」に関する争いを防ぎやすい
作成時には公証人と2名の証人が本人の意思や状態を確認するため、後から不服を持つ親族から「当時は認知症で遺言なんて書ける状態ではなかったはずだ」と主張された際にも、強い有効性の証拠となります。
公正証書遺言の作成にかかる費用相場
公正証書遺言を作成する際は、主に「公証役場へ支払う手数料」と「専門家に頼む場合のサポート費用」が発生します。
1. 公証人手数料(公証役場へ支払う官公庁手数料)
遺言に記載する「財産の金額」や「財産を渡す相手の人数」によって法律で規定されています。
- 財産の目的額ごとの基本手数料(受取人1名あたり)
- 50万円超~100万円以下:5,000円
- 100万円超〜200万円以下:7,000円
- 200万円超~500万円以下:13,000円
- 500万円超〜1,000万円以下:20,000円
- 1,000万円超〜3,000万円以下:26,000円
- 3,000万円超〜5,000万円以下::33,000円※全体の財産額が1億円以下の場合は、さらに「遺言加算(13,000円)」が加算されます。
一般的な総額の目安としては、公証人手数料だけで3万〜7万円前後になるケースが多く見られます。
2. 証人への謝礼・専門家サポート費用
- 証人手配料: 証人1名につき1万〜1.5万円程度(専門家へ依頼する場合は手配代行が含まれるのが一般的です)。
- 行政書士等のサポート費用: 10万〜15万円程度(※戸籍等の収集、財産調査・目録作成、公証人との事前打ち合わせ、文案作成、証人2名の用意・当日の立ち会いまで一括サポート)
公正証書遺言作成までのステップ(5つの手順)
手続きの申込みから完成までの流れです。
- 財産の整理と配分案の決定所有する不動産、預貯金、株式などを調査し、「誰に・どの財産を・どれだけ遺すか」の概要を決めます。
- 必要書類の収集(戸籍・登記事項証明書等)被相続人と相続人の戸籍謄本、不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書などを収集します。
- 公証人との事前打合せ・文案の作成収集した書類を提出し、公証人と文案のすり合わせを行います(※行政書士へ依頼した場合は、この打合せや調整をすべて代行します)。
- 証人2名の確保と作成日の調整未成年者や推定相続人(財産をもらう予定の人とその配偶者等)以外の第三者2名を証人として手配します。
- 公証役場での当日作成・署名押印予約日に本人と証人2名が公証役場へ赴きます(出張作成も可能)。公証人が内容を読み聞かせ、内容に間違いがなければ本人・証人・公証人が署名押印して完成です。
まとめ:不備のない確実な遺言書作成は専門家にお任せください
「大切な家族にスムーズに財産を引き継ぎたい」「自分が亡くなった後に遺産分割で揉めてほしくない」とお考えであれば、最も安心で確実な「公正証書遺言」を選択することを強くおすすめします。
ただし、ご自身の希望を法的に正しい文章へ落とし込み、公証人と直接何度も打ち合わせを行うのは時間と労力がかかります。
- 「自分の思い通りの配分で公証人へ伝える文案を作ってほしい」
- 「忙しくて必要な戸籍集めや公証役場との連絡ができない」
- 「当日の証人2名の手配までまとめてお願いしたい」
とお悩みの方は、ぜひ行政書士きいサポートオフィスにご相談ください。
戸籍の収集から文案作成、公証人との事前交渉、当日の証人立ち会いまで、スピーディーかつ丁寧に一括サポートいたします。
当事務所では、奈良県橿原市を中心に、戸籍の収集から法定相続情報一覧図の作成、遺産分割協議書の作成、各種相続手続き、 遺言書作成のサポートなど、相続に関する幅広いご相談を承っております。 まずはお気軽にご相談ください(初回相談無料)。
「うちの家族の場合はどうすればいい?」「何から手を付ければいいか分からない」という方も、 一人ひとりの状況に応じて最適なご提案をいたしますのでお気軽にお問い合わせください。丁寧・迅速にサポートいたします。
⇓
「行政書士きいサポートオフィスのホームページ」

コメント