「手軽だから」「費用がかからないから」と自分で書く(自筆証書遺言)ことを選ぶ方は多いですが、法律で定められたルールを守らなければ、せっかく作成しても無効になったり、トラブルの原因になったりすることがあります。
今回は、自筆証書遺言でよくある失敗パターンを5つ紹介します。せっかく残した遺言書がただの「紙くず」になったり、かえって家族の揉め事の原因になったりしないよう、よくある5つの失敗パターンを押さえておきましょう。
失敗パターン①:全文をパソコンで作成した(代筆含む)
- NG例:文字が見やすいようにWordで作成して印刷し、末尾に手書きで署名・捺印した。
- 解説:自筆証書遺言は「全文、日付、氏名を自書(手書き)」しなければなりません。(※財産目録のみパソコン作成が認められています)。
- ポイント:本文をパソコンで印刷したものや、家族・専門家に代筆してもらったものは無効になります。
失敗パターン②:日付の記載があいまい
- NG例:「令和8年7月吉日」「2026年7月」など、日にちが特定できない書き方。
- 解説:遺言書は「いつ書かれたか」が非常に重要です。遺言書が複数出てきた場合、最も新しい日付のものが有効となるため、日にちが特定できないと無効になってしまいます。
- ポイント:「〇年〇月〇日」と正確に記載しましょう。「吉日」は定番のNG例です。
失敗パターン③:印鑑を押し忘れた
- NG例:署名だけして満足し、印鑑を押し忘れた。
- 解説:自筆証書遺言には押印が必須です。実印でなく認め印や認印でも法律上は有効とされていますが、押し忘れは無効原因となります。
- ポイント:後のトラブルを防ぐためにも、実印を押すのが望ましいといえます。
失敗パターン④:財産や受取人の指定があいまい
- NG例:「長男に自宅を譲る」「全財産を妻に任せる」
- 解説:「自宅」だけでは登記上の土地・建物を特定できず、法務局での名義変更(相続登記)ができません。また「任せる」という表現は「相続させる」のか「管理を託す」のか解釈が分かれ、名義変更の手続きができません。
- ポイント:不動産は登記事項証明書(登記簿謄本)どおりに記載し、誰にどうするのかは「〜に相続させる」「〜に遺贈する」と明確に表現する必要があります。
失敗パターン⑤:加除訂正(修正)の手順を間違えた
- NG例:書き損じた部分を修正テープで消したり、二重線と訂正印だけで直した。
- 解説:自筆証書遺言の訂正方法は民法で非常に厳格に定められています。「修正箇所に印を押す」「欄外に『〇字削除〇字加入』と付記して署名する」などの手順を踏まないと、修正自体が無効か、場合によっては遺言書全体の有効性が疑われます。
- ポイント:書き損じた場合は、部分修正しようとせず最初から全ページ書き直すのが一番安全です。
確実な遺言を残すための2つの解決策
自筆での遺言書作成は失敗のリスクが高いため、以下の方法をおすすめします。
- 法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用する 自筆で書いた後、法務局に預ける制度です。外観上の形式チェックを法務局が行ってくれるため、日付忘れなどの初歩的ミスによる無効を防げます。
- 「公正証書遺言」を作成する(最もおすすめ) 公証人が作成するため、形式不備で無効になるリスクがゼロになります。原本は公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配もありません。
当事務所では、奈良県橿原市を中心に、無効にならない遺言書づくりの文案作成や、公正証書遺言の手続きサポートを行っています。まずは初回無料相談をご利用ください。
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