親が亡くなった際、遺産の中で最も扱いが難しいのが「実家(土地・建物)」です。
「自分が住む予定はないけれど、思い出が詰まっていて手放しづらい」「兄弟でどう分ければいいかわからない」と悩む方は非常に多くいらっしゃいます。
実家を相続した際の具体的な「3つの選択肢」と、放置してしまった場合のリスク、スムーズに進めるための注意点を分かりやすく解説します。
実家を相続したときの「3つの選択肢」
実家を引き継いだ場合、選択肢は大きく分けて以下の3つになります。
1. 「売却する」(現金化して分ける)
誰も住む予定がない場合、最も現実的でトラブルが少ない方法です。
- メリット:現金化することで、兄弟間などで公平に遺産分割ができる。固定資産税や管理費がかからなくなる。
- ポイント:相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日以内に売却すると、譲渡所得税の特別控除(空き家の3,000万円特別控除など)が使える場合があります。
2. 一人が相続して住む
相続人の一人が実家を相続し、住み続ける方法です。
- メリット:実家を手放さずに残せる。今後における売却やリフォームの判断がスムーズ。
- 注意点:他の相続人への代償金(現金)の支払いをどうするか問題になりやすいです。
3. 一人が相続したうえで賃貸に出す
相続人の一人が実家を相続し、実家を売却せず、賃貸住宅として活用する方法です。
・メリット:家賃収入が期待できる。将来、自分や家族が利用する選択肢を残せる。
・注意点:建物のリフォーム費用や空室リスク、入居者への対応など、継続的な管理が必要。他の相続人への代償金(現金)の支払いをどうするか問題になりやすいです。
一番やってはいけない!実家を「放置」する3大リスク
「話し合いがまとまらないから」「面倒だから」と実家の名義変更をせず放置すると、以下のような大きなリスクが生じます。
- 2024年4月〜「相続登記の義務化」により過料ペナルティ 相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に名義変更(相続登記)を行わないと、10万円以下の過料(罰金)が科される可能性があります。
- 空き家の老朽化による固定資産税の跳ね上がり・損害賠償 管理されず危険な状態になった空き家(特定空家)に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が外れ、税負担が重くなることがあります。また、倒壊や瓦の飛散などで第三者に被害を生じさせた場合、所有者が損害賠償責任を負います。
- 相続人が増えて協議不能になる 名義変更をしないまま次の世代へ時間が経つと、権利を持つ親族が数十人に膨れ上がり、売却も名義変更も永久にできなくなってしまいます。
スムーズに解決するためのポイント
- 遺言書で指定してもらう(生前対策) 親が存命のうちに「実家を誰に譲るか」「売却して均等に分けるか」を遺言書に明記してもらうのが一番の予防策です。
- まずは相続人全員で意思を確認する 「誰が取得するのか」「売却するのか」を遺産分割協議で話し合い、決定内容を「遺産分割協議書」に残します。
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